2010夏 ギリシャ旅行
〜はじめに〜
 今年もまた仕事の都合で、一時は旅行をあきらめる覚悟をしたのだが、直前で何とか行けそうな見通しになった。夏のギリシャは我々にとって特別な存在で、これが実現しないとなるとショックは大きいだけに、この幸運には本当に感謝した。
今年のギリシャは経済問題に端を発したストライキや騒動などが報じられており、周囲からは「行って大丈夫なの?」と聞かれることが多かった。僕としては、観光で稼いでいるギリシャ人が夏のバカンスシーズンにストをやるはずはないと思いつつも、交通機関が本当に問題ないのか多少の不安はあった。結果的には杞憂に終わったし、ユーロ安の恩恵を受けることもできたのだけれど。

日程
8月13日(金) 成田 → ウィーン (AF、パリ乗り継ぎ)
(ウィーン NH Hotel泊 … 1泊)

8月14日(土) ウィーン → スキアソス (Lauda航空)
スキアソス → スコペロス (フェリー)
(スコペロス Sokaki house泊 … 6泊)

8月20日(金) スコペロス → アギオス・コンスタンチノス (フェリー)
アギオス・コンスタンチノス → ピレウス (バス、地下鉄)
ピレウス → ナクソス (フェリー)
(ナクソス Grotta Hotel泊 … 4泊)

8月24日(火) ナクソス → サントリーニ (フェリー)
(サントリーニ Antithesis Hotel泊 … 2泊)

8月26日(木) サントリーニ → アテネ → 成田 (OA、AFパリ乗り継ぎ)

★フライト予約、手配に関して

★8/13 成田 → ウィーン
機内食(前菜)   機内食(ステーキ)

★8/14 ウィーン → スコペロス    
 スキアソスの街(ポート) フェリーから見たスコペロス
2階のベッドルーム  3階ベランダからの眺め
シーフードパスタとサラダ

★8/15 スコペロス2日目
ミリアビーチ


 昼食はクルマを停めたタベルナへ。といっても、Milia付近にはタベルナはこの一軒だけで後はビーチで飲み物とスナックを売っているだけ。タベルナでは定番のグリークサラダとカラマリを注文。つめたく冷えたビールとこれらの組合せで、“ギリシャの夏”を実感する。
O 夜、港沿いの道をぶらぶら歩くと、今週は8月もピーク中のピークの週だからだろうけど、決してアクセスがよいとは言えないこの島もツーリストでいっぱい。そのにぎわいは他の島と変わることはない。街のメインロードは港沿いのカフェやタベルナが並ぶ通りだが、奥の方も細い迷路のような道が斜面に広がっている。それにしても、夜になっても気温は下がらず、ギリシャ特有の風もなくて、暑いのなんの。この日の夜は、プラタノスカフェの横に3軒並んでいるタベルナ(我々はタベルナ3兄弟と呼んでいた)の一番プラタノス寄り、Englezosというところに入った。ここはトラディショナル+創作ギリシャ料理ということで、たーぼはスタッフドトマトを、私はシーフードカレーソースを注文したが、なかなかおいしかった。タベルナ3兄弟はどの店もはやっている(が、まさか3兄弟すべてへ行くとはこの日は思っていなかった)。
     
   
定番グリークサラダ シーフードカレー


O 夏のギリシャで国際免許証の厳密な確認をされるとは思わなかった。来年以降、安心して借りるためには日本で小型二輪の免許を取らなければいけないということか。ただ、結果論としてはクルマを借りたのは正解だったかもしれない。というのも、スコペロスは結構なアップダウンがある島だし、猛暑でバイクではつらかっただろうから。クルマはエアコンつきの韓国車、1日55ユーロだった。左ハンドルはともかく、マニュアル車だから慣れていない人はちょっとリスキーかもしれない。



8/16 スコペロス3日目
O 朝食はハウスに置いてあったビスケットと、ウィーンのホテルから持ってきた1人前づつパックされたネスカフェのコーヒーで簡単に済ませた。今日の目的地はマンマミーアの映画に出てきた教会。最後の結婚式の場面が撮影された海に突き出た島のような場所だ。地図を見ながら距離的に近い道で行くことにしたが、ちょっと間違えてダートの山道に入ってしまった。しかし、途中でヤギに出会ったり、森林の中の道は比較的涼しくて、それはそれでよし。1時間半ほどのドライブで教会の目の前まで来たが、まだ早い時間だったのでクルマも人もほとんどいない。
O 行き止まりの道の突端近くにクルマを停めて、島へ渡るせまい道を歩く。そこからは映画のとおりで、急な崖に作られた階段を100段以上登っていく。手すりはあるものの、高所恐怖症の人はまず無理だ。息を切らしてようやく頂上に到着すると、教会は思った以上に小さかった。映画の結婚式のシーンだが、教会の中はこことは別の場所(もしくはセット?)で撮影されたに違いない。スペイン人らしい中年女性3人組が写真など撮りながら休んでいたが、他には誰もいなかった。ここからの眺望はすばらしく、深いグリーンの海の色、岩の海岸線が続き、断崖の上の山は松の木に覆われて、乾燥したキクラデスの島とはまた違う趣だ。
     

マンマミーアの教会 教会から見下ろす海


O ここは、この島では非常にきれいな場所として以前から名所だっただろうが、映画ですっかり有名になってしまったので午後からはツアーの客などが押し寄せるに違いない。これといって駐車スペースもないので、クルマも混雑して大変だろう。早い時間に来て正解だった。せっかく遠くまで来たので、戻る道の途中で一番タウンから遠いところにあるElioビーチに行ってみる。ここはちょっとしたリゾートタウンになっていて、ホテルやお店が点在し、ビーチはヨットハーバーを挟んで両側に広がっている。今日はここでくつろぐことにした。 

エリオビーチ


O Elioビーチも水はもちろんきれいで、Miliaと違って波もまったくなく海面は鏡のようでとても泳ぎやすい。それにしても、この日は本当に気温が高く、パラソルの下でデッキチェアに寝転んでいるだけでも辛い。熱中症を防ぐために冷たい麦茶を時々飲み、暑くなったら体を冷やすために海に入る。海に入るとあまりに気持ちよくてなかなか出てこられない。たぶん、海に入っていた時間のトータルはこれまでに比べてダントツに長いと思う。昼はビーチに近いタベルナでつめたいビールを飲み、またビーチに戻ったけれど、何と信じられないことに暑さに耐えかねて早めに引き上げることにしたのだ。後で振り返ってみるとこの日が一番暑かったように思う。
O 帰りにタウンの入り口の大きなスーパーで買い物。水やビールのほかに、朝食用に卵、ヨーグルト、インスタントコーヒー、ラスクなどを購入。大家のお姉さんに電話してハウスに来てもらいインターネットの状況を確認すると、つながるようになったがUSBを介さないとだめだということ。我々のPCはセキュリティ上の理由からUSBが接続できないようになっているため、ハウスでの接続はあきらめなければならなくなった。これだけが唯一このハウスで残念なことだった。
O でもハウスを借りると、生活はやはり便利。例えばキッチンの冷蔵庫でちゃんと氷ができる。ホテルの部屋にある小さな冷蔵庫だと、製氷室はあってもなかなか氷ができないことも多々ある。毎日ステンレスボトルに麦茶と氷を入れて出かけたが、氷を入れておくと夕方まできんきんに冷えた状態が保てるので、猛暑の今年は大助かりだった。
O 夕食は、初日にお姉さんに紹介された何軒かのレストランの一つ、Olivoというイタリアンの店に行った。港から少し入った街中で、ガーデンレストランのようになっており、インテリアやテーブルセッティングはとてもセンスよくおしゃれな感じ。最初に出てきたグリシーニやパンとディップは味も量も洗練されている。オードブルに頼んだ野菜のグリルも種類が多くてなかなかおいしかった。しかしメインのパスタ類(シーフードパスタ、ポルチーニのリゾット)はまぁまぁといったところで感激するほどの出来まではいかなかった。



★8/17 スコペロス4日目
O 朝食は、昨日仕入れた卵をゆでて、ヨーグルトやガーリックラスクなども投入され、だいぶまともになった。ハウスでの朝食後、PCを持ってプラタノスカフェへ行き、グリークコーヒーをすすりながら交代でメールチェック、これが朝の日課となる。コーヒー代は大家のお姉さんが持ってくれることで予めカフェと話がついていた。
O この日は、タウンから一番近いStifalosビーチへ行ってみることに。近いだけあって、みんなの出足が早い。ここもMiliaと同様で特に駐車場はなく、道の両側にクルマを停めるしかないようだ。道の突端まで行ってUターンし、帰り方向の向きにクルマを停める。10時半ごろにはクルマもそこそこに混雑してきて、11時過ぎにはパラソルも埋まってしまった。
O Stifalosビーチは、波もなく泳ぎやすさは抜群。ここも砂ではなくぺブルで、足に砂がつかないのもよい。周囲は松に覆われた山がせまっていて、そのためか水の色は深めのグリーン。ビーチの中ほどには飲み物を売るバーもあってクラブ系の音楽がかかっている。おそらくこの島で唯一の若者向けのおしゃれなビーチではないだろうか。ミコノスのスーパーパラダイスのように夕方からやってくる人もいて、午後3時くらいからだんだん客層が入れ替わっていくのもおもしろい。

スティファロスビーチ



O 暑さと泳ぎやすさで、この日もかなりの時間海に入っていた。ビーチの端の岩場まで泳いでいったら、なんとおいしそうなウニを何個も発見。思わずとって食べてみたい衝動にかられるがグッとがまん。昼は近くに1件だけあるタベルナで、小いわしのフライとグリークサラダをつめたいビールとともに。タベルナから道路の方を見ていると、いよいよクルマは混雑してきて細い道の両側に車が停まり始め、Uターンもままならない状態。早めに来て良い場所に停めてよかった。もっとも、バイクであればそれほどの苦労もしないで済むのだが。
O 夕食だが、昨夜のOlivoはコストパフォーマンス的にどうかという思いもあり、この日は再びタベルナ3兄弟に戻って真ん中のMolosという店に入った。ここで驚いたのは、最初に出てきたパンが2種類あってディップも添えられていたこと。まるでレストランのようだ。メインもたーぼが食べた魚のオーブン焼きは付け合せの温野菜も抜群の味ですばらしかった。それでいて、値段はまさにタベルナ。なかなかお値打ちの店だ。
O ところで、ハウスはベッドルームが2つ、バスルームが2つあって、最初はどうやって暮すか思考錯誤だったが、結局2階はたーぼ、3階は私が使うことで落ち着いた。同じ部屋だとエアコンの効きが場所によって違うので1人が適温でももう1人は寒いとか暑いとかということになってしまうのが一番の理由。それから、バスルームが2つあるのもとても便利だった。ビーチから帰ってきて2人で同時にシャワーを浴びることができるので時間が有効に使える(自宅だってこんなことはできない)。ハウスの場所も結果的には非常によくて、階段状の道をちょっと降りればメインロード。そこは港の端の方で駐車場になっているので、クルマからもすぐなのだ。



★8/18 スコペロス5日目
O ハウスでの朝食、プラタノスカフェでのメールチェックを済ませ、島の西側でまだ行っていないビーチを見学。Limnonariビーチは小さな入り江だがちゃんとオーガナイズされていて居心地もよさそう。水の色の感じはStafilosと似て深いグリーン。さらにPanormosビーチと、最初に行ったMiliaビーチを通り過ぎて、マンマミーアの撮影にも使われたKastaniビーチへ。ここもぺブルできれいなビーチだが、パラソルはなかった。
O そこで、この日はPanormosビーチへ落ち着くこととした。ここはビーチのすぐ横にメインロードが通っている。駐車場もあるがあまり広くないので出られなくなるリスクを考えて道沿いにクルマを停めた。けっこう広いビーチで、景観としては沖に島が見え、浜はぺブルで水も抜群にきれいだし波もなく泳ぎやすい。もちろんオーガナイズドだ。道路からのアクセスもよくタベルナも数軒あってなかなか便利。他のビーチもそれぞれにすばらしいが、総合評価としては一番か。
 

透明度抜群、パノルモスビーチ




O 昼食に、ガーリックソース(マッシュポテト・にんにく・オリーブオイルを混ぜたディップ)を初めて頼んだ。パンにつけて食べると美味。タコのグリルもおいしく、さらにスイカのデザートがサービスで出てきて大満足。ここでちょっと問題が。これまで書いてなかったが、実はスコペロスはいままでに行ったどの島でも経験のないことがあって、蜂が多いのだ。ビーチもレストランもどこでも、蜂がいる。直接触れなければ刺されることはないが、1回だけひざの後ろにとまった蜂を足を曲げて挟んでしまいそうになったら刺された。スコペロスの特産は蜂蜜なので、たくさん蜂を飼っているからだろう。それで、お昼を食べているときにタコのグリルがテーブルの上に来たら、蜂が集まってきて大興奮状態。あわてて全部食べてしまうと、静かになった。蜂はタコが好きなのか?
O 午後になって気温が心なしか下がり、ほどよい暑さと心地よい微風が。デッキチェアで寝転んでいると最高の気分。夕方までたっぷりビーチを楽しんだ。
O さてスコペロスの夜も残り2回となったので、今日は大家のお姉さんお勧めのもう一軒のレストラン、Perivoliへ。ここはやや高級なガーデンレストランで、女性が切り盛りしておりガーデン内も花でいっぱい、センスのよさが伺われる。予約がないとだめなのだが調理場付近のせまいテーブルでよければOKと言われたので、そこに陣取ることにした。我々がすごくラッキーであったことがすぐに判明。次々にお客が入ってくるのだが、予約がない人はすべて断られている。すごい人気店のようだ。料理もなかなか洗練されたフレンチ系で、たーぼの頼んだビーフはマッシュルームソースが絶品、私のチキンとエビのケバブ風もおいしかった。値段は安くはないが、それなりの価値は十分ある。
 

ペリボリの料理






★8/19 スコペロス6日目
O いよいよスコペロス最終日。昨日で暑さのピークを通り越した感じだが、風はまったくなくてやはり普通の年とはまだちょっと違うだろう。でも快適だ。昨日までで島の西側の主だったビーチはすべて行ったので、今日はタウンのある東側のビーチを見学することに。
O タウンから北へ行く道を走っていく。道はかなり高いところを走っているので、タウンに一番近いビーチはまずは道から眺めて確認。オーガナイズドだが小さいし、1日過ごすという感じではないのでそのままもう少し先のGristeliへ向かった。Gristeliは非常に深い入り江の奥のビーチで、海側からは隠れてみえないような場所(帰りの船に乗ったときに確認したが、本当にビーチそのものは見えなかった)。秘湯ではないけれど隠れ家的ビーチといった感じ。浜はぺブルで水は抜群にきれい。しかし小規模なビーチながらタベルナが一軒あって、ここがちゃんとパラソルとシャワーを設置している。私としては非常に気に入ったのだが、まだ朝早いせいもあって誰もおらずちょっと寂しい感じがしたためかたーぼはここに落ち着くのはちょっと、というのでしかたなく昨日のPanormosへ行く。
O この日は本当に無風でPanormosの海もまるで池か沼のように一段と静かで泳ぎやすい。1日ビーチを満喫した。
O 明日は早朝の出発なので、夕方ハウスに戻ってからは荷造りやハウスの支払いなどで忙しく過ごす。さすがに一軒屋を借りるとあちこちに物がちらばっているので、忘れ物がないように荷物をまとめるのも大変だ。大家のお姉さんを電話で呼び出して、ハウス代を支払いお別れを言う。私は以前からギリシャではヨーロッパのバカンス客と同じようにアパートを借りて1週間くらい同じ場所に滞在するのが夢で、今回初めてそれができた感じだ。ホテルの方が便利なことも少なからずあるが、“住むように暮らす”のも悪くない。
O しかし、1週間いて飽きなかったのは、素敵なビーチがたくさんあったから。オーガナイズされていることはもちろん、1日過ごせる一定の条件を満たすビーチがこんなにたくさんあるとは、恐るべしスコペロス。音楽に例えるとCD1枚買っても本当に何度も聞きたくなるお気に入りの曲というのはたいていその中で2〜3曲。どの曲もすべてよいというアルバムはめったにない。ビーチに関してミコノス以外にそのような島にはなかなか出会わなかったが、スコペロスはかなりのものだ。
O 最後の夜は、タベルナ3兄弟の最後の店Klimatariaへ。ここで私が食べたズッキーニの花の詰め物は絶品だった。ズッキーニの花に詰められているのは野菜のおいしいだしで煮込んだお米で、とてもやさしい味。ちなみに、私の絶品の定義は、それを口に運ぶたびにおいしいとうなり、何度でもそのおいしさを確認するためにまた口に運びたくなる、それが最後の一口まで続くことだ。(バリ島サヌールのカユマニスのリゾット、ミコノスのシェ・マリアのステーキソースなど)
 


ズッキーニの花の詰め物


O 食事の途中くらいから、目の前の通りを民族衣装を着た地元の人たちがたくさん通っていく。毎日“地元物産展”をやっている桟橋にステージが設けられていて、そこに向かっているようだ。大人も子どももいてかなりの人数。食事が終わるころにはステージでグリークダンスのショーが始まった。ステージの周りにはバカンス客も地元の人も大勢集まって盛り上がっている。ミコノスやサントリーニの洗練された雰囲気はないが、これはこれで本来のギリシャの島という感じがして、最後の夜も素敵だった。



★8/20 スコペロス → ナクソス
O 今日は大移動の一日。船は予約してあるが、陸路の部分は出たとこ勝負。果たして無事ナクソスへ到着できるか不安もなくはないが、時間的にはかなり余裕があるのでなんとかなるだろう。まずは、7:15発のアギオス・コンスタンティノス行きの船に乗る。船はHellenic Seawaysのフライングキャットという昨年乗ったこともある乗客オンリーのカタマラン高速船。途中、スキアソスから大勢の客が乗ってきてほぼ満席になった。スキアソスを過ぎると本土の深い湾のような中を航行していく。異常気象で無風状態ということもあり、海も大変静か。
O ほぼ定刻にアギオス・コンスタンティスに到着。ここからは長距離バスに乗ってアテネまで行くのだが、チケットを買う場所がわからない。バスも船着場のすぐ近くに4台ほど止まっているが、見た目はツァーバスのような感じでこれらがそうなのかよくかわからない。しかし船から下りた人はほとんどこれらのバスに殺到しているので近づいてみると、みんな荷物をバスの下に入れて乗り込んでいる。荷物を整理している係りのお兄さんにアテネ行きのバスかと聞くと、そうだから早く荷物を入れなさいと言われてスーツケースを2つ入れてしまう。しかし、チケットはどうするのか? バスの乗降口の方へ回り、チケットを確認しているお姉さんに聞くと、チケットを持っている客をどんどん乗せていて我々には(いっぱいだから)無理そうだという。荷物だけ積んでバスが発車してしまうと大変なことになるのであわてて荷物を回収しにいこうとしたら、ちょっと待ってと呼び戻され、結局なんとかこのバスに乗ることができた。なんだか訳がわからないままで釈然としないが、とにかく結果オーライ。
O 私の予想には反して、バスはアテネ近郊までずっと高速道路を走り、快適なドライブ。途中のサービスエリアで20分ほどの休憩もあった。アテネ市街地までは全く渋滞はなくスムーズだったが、高速道路を降りるとさすがに信号も多く渋滞している。バスが広場のようなところに止まって終点とのアナウンスが流れ、みんなバスを降りたが、どうも様子がおかしい。
O このバスは長距離用のバスターミナルに着くはずなのだが、どうみてもただの広場だ。よくわからないし外は暑くて(バスの中で表示されていた外の気温は37℃だった)歩き回るのもいやなので、タクシーをつかまえてオモニア広場までというと、ノーといって指をさして何か説明するのだが言葉がよくわからない。このあたりは一方通行なので、そっちには行けないという意味かと思い、場所を変えようと歩き出したがいよいよ暑くなってきたので今度はピレウスまでタクシーで行ってしまおうということになった。
O 次のタクシーをつかまえてピレウスまでと言ったら、ピレウスのどこかと聞かれたので港でキクラデスに行く船が着くところと答えた。しかし船の出発までかなり時間があり、どこかネットのつながるレストランにでも入って昼ごはんとメールチェックで時間をつぶすことを考えると、埠頭についてしまうと困るので、行き先を駅に変更してほしいと頼んだ。言葉が通じにくかったのでメトロステーションと言ったら、OKとなった。ところが、5分もたたないうちに“着いたよ、メトロステーション”と言われ、よくみるとオモニアの駅だった。我々はピレウスの駅というつもりでステーションと言ったのだが、タクシーの運転手は現在地からの最寄の駅と受け取ったのだった。また、さっきのタクシーは、オモニアはすぐそこだから歩いていけと言っていたのだ。
O なかなか思い通りにはいかないが、せっかく近くでも親切に乗せてくれたので、タクシーを降りた。ここで時間つぶししようと周りを探したけれども、オモニア広場はビジネスとショッピング街で、あまり適当なカフェがない。またまた方針変更で、地下鉄でピレウスまで行ってしまおうということになり、切符を買って改札を入ったが、なんとピレウス方面へ行く1号線への入り口が閉鎖されている。オモニアと隣のモナスティラキの間が不通になっているというのだ。入り口からホームの方を除くと、確かにレールが取り除かれている! ということで苦難の道はまだ続く。しかし、地下鉄路線図をよく見てみると、オモニアから2号線で2つとなりのシンタグマまで行って3号線に乗り換え、1駅乗るとモナスティラキに行けるのだ。
O 本来なら1本で行けるところを、荷物をガラガラ引っ張って2回乗り換えをし、ようやくピレウスに着いたらそこそこよい時間になっていた。まあ、スムーズに行くと3時間くらい暇つぶししなければいけないところだったから、それがなくなったのはよかったといえるが、暑い中荷物を抱えてウロウロするのは大変だ。そういえば、今朝は朝ごはんも船の中でビスケットをかじっただけ。お腹もすごく空いているが、夜の時間に近づいてきてしまったので、駅の近くのギロ屋さんに入り軽めのランチをとった。ピレウスは初めてではなくて船が出る場所もだいたいわかっているし、ここまで来れば今日の大移動の山場は超えて、もう安心できる状態になった。
O ナクソスへの船はHellenic SeawaysのHighspeed 5。このシリーズはカタマランのカーフェリーでなかなか快適なので、最近はよく利用している。少し早めに埠頭へ行くとすでに乗船は始まっていた。今回はちょっぴり贅沢してビジネスクラスだ(といっても1割くらいしか料金は変わらないが)。我々の席はビジネスクラスの最前列で、目の前の窓から外がよく見えるラッキーな場所だった。座席も広めで乗客もあまり多くないので、景色を楽しんだり雑誌を見たりすっかりくつろいで過ごし、長かった1日の疲れを癒した。ビジネスクラスにしたのは大正解だった。
O ピレウスも気温は高かったがそこそこ風はあり、出航してキクラデスの海域に入っていくと、波やうねりはいつも通り。途中パロスに寄って、ほぼ定刻にナクソスに到着。スコペロスでは無風だったのに、ナクソスでは風がものすごく強い。異常気象でキクラデスも風が弱いことを期待したが、それはなかった。但し、気温はいつもより高いので風が強くても寒いことはない。
O 船を下りたところでGrottaホテルのお兄さんを探したけれど見つからず、名前を書いたカードを持ってタクシーが待っていた。珍しいことだ。我々ともう1名(こちらは観光客ではなく地元のタクシー利用者)を乗せて、なつかしのGrotta へ。ここでもフロントにはいつものお姉さんとは違う女性が迎えてくれたが、リピーターであることは知っていていろいろ話をした。部屋は昨年とは違うが、ちゃんと海とタウンが見えて、バスルームにバスタブがあるのにはびっくりした。この日は朝からいろいろ苦労したけれど、スコペロスからの長い旅の末なんとか無事ナクソスまで到着できて、本当によかった。
O 船が着いたのが8時半なので、ホテルで一服する間もなく荷物を置いて夕食に出かける。ニコスが復活していたらニコスにしようと意見は一致したが、ニコスは閉店しており、よく見ると新市街へ移転したというような張り紙があった。しかたないので、ポート沿いの道を上から眺められるシーフード系のレストランで、街の賑わいを観察しながら食事をした。


O この大移動に関してはバスの乗り継ぎのところで多少不安があったが、結果的にはなかなかギリシャらしい移動旅となった。過去の教訓から、時間には余裕をもつ行程が必要。そうであれば、少々の想定外のことがあっても、これも旅の楽しみの一つくらいに考えられるものだ。



★8/21〜23  ナクソス
O ナクソスは毎回Grottaホテル。朝食は相変わらずというかますますリッチになった感じ。お母さんの手作りケーキがなくてもこのグレードのホテルとしては破格の充実度ではないか。昨年も書いたが、メニューは次の通り。昨年はパンをやめてケーキ三昧としたが、実はパンもおいしいので今年は両方食べた。
・ パン数種、チーズパイなどのパイ類数種
・ ハム、チーズ、フェタ、ゆで卵、トマトの入ったスクランブルエッグ、オリーブ
・ ヨーグルト、シリアル、ジャム数種とはちみつ、フルーツ多種
・ お母さんの手作りケーキ多種(プディングも入れると7、8種類)
・ ジュース2種類、ミルク、コーヒー、紅茶

グロッタホテル朝食のケーキ類



O 朝食時は、お父さんがこまめになくなった料理を補充したりパンを切ったり、済んだテーブルの食器を片付けたりとひとりで大忙し。なぜかというと、働き盛りの女性陣はみな窓ガラス拭きで大変なのだ。食堂とリビングのスペースは海に面した1階の大きな部屋で、景色のよい海側とタウン側の2面はすべて天井近くからテーブルの高さくらいまでがガラスの窓となっている。海からの風が強く吹き付けて、朝になると潮でガラスが曇って外が見えないほど。すべての窓をきっちりしめて、外からホースで水をじゃんじゃんかけて塩分を流し、雑巾で拭いたあともう一度乾拭きするのだ。ものすごい重労働。しかし、昨年までは窓が曇るほどになったことはなく、窓拭きも行われておらず、そもそも朝食も外のテーブル席でもOKだったのでとても不思議。今年はちょうどメルテミ(季節風)の強いサイクルにはまってしまったようだ。
O 朝食のときに我々が座る場所は昨年から同じで、外への出入り口の横のテーブルと決まっている。それはすぐ横の壁にコンセントがあるからで、PCを持ってきて朝食後にコーヒーを飲みながら交代でメールチェックをする。ここのワイアレスは非常に快適で、仕事もはかどる。
O バイク屋のお父さんはなんとなくだが我々のことを覚えてくれていた。もう3回目だというと喜んで、免許証はろくに確認せず書類に書くためにライセンスの番号を見ただけ。したがって、問題なくバイクが借りられてしまった。たぶん初めての店へ行けばナクソスでも同じようにバイクを借りられなかったかもしれないが、それはわからずじまいだ。
O 大したことではないけれど、新しい発見があった。タウンからプロコピオスビーチへ向かう道路の途中に、ギリシャの島としては極めて珍しく、信号が設置されている。しかし、この信号はいつも青で、いったい何のためにあるのかわからなかった。ただ、そのあたりは海の近くにある干潟のような地帯で、いかにも道路がすぐに冠水しそうな感じなので、危険なときに通行止めにするためだろうと想像していた。ところが、ナクソス初日にここを通ったときに信号が赤になって停止したのだ。それでも、すぐに青になったし、なんで赤になったのかはどうしてもわからなかった。最終日の帰りにこの場所でふと右側(海と反対側)のコンクリートで覆われた広いエリアを何げなく眺めて、まるで滑走路のようだなぁと思った数秒後に、ピンと来た。空港はすぐ近くにあるはずなので、ここは本当に滑走路で、飛行機が離発着するときに安全のために信号を赤にして車の通行を止めるのだと気づいた。初日に信号が赤になったときはあまり長く待たなかったので、恐らく飛行機が離陸した後でだいぶ遠くに行っていたのではないか。ナクソスは1日1便オリンピック航空が飛んでいるだけで、後は週何便かチャーター便が来るとは思うが、それらも夏のピーク時だけの話だ。基本的に飛行機はほとんど来ない島なので、我々もそういう発想がなかった。
O ビーチに関しては、プロコピオスはやはり極上。スコペロスのビーチもすばらしかったが、ここに来てしまうと広さや砂と水の色のすばらしさがもう1ランク上に感じる。ミコノスとナクソスは近い感じで、例えばミコノスのエリアやスーパーパラダイスとナクソスのプロコピオスやプラカはよく似ている。また、ドーナッツ売りのおじさんや各種もの売り、マッサージといろいろな人が来ておもしろい。パラソルは8ユーロで昨年から上がっていなかった。ただ、今回風が強かったのはちょっと残念。
      

極上 プロコピオスビーチ 今年も健在ドーナッツ売りおじさん


O 3日間のうち初日と最終日はプロコピオス、2日目は少し南のMikli Viglaというところへ行った。ここは以前に昼ごろ行ったらパラソルがいっぱいで断念したことがある。2日目は3日間の中でも一番の強風で、台風の暴風圏にいるようだった。さすがに肌寒くてパラソルの下でも1枚くるまっていないとだめだ。Mikli Viglaはギリシャでは非常に珍しく、ものすごい遠浅。風さえなければ子どもも安心して泳げるビーチだ。
O プロコピオスではお昼はいつもバイクに乗って、アギア・アンナのバス停付近のギロ屋さんに行くのが定番だったが、なんと悲しいことにこのギロ屋さんはつぶれていた。しかたないので初日はその近くのタベルナで済ませたが、最終日はプロコピオスビーチの一番北側の高台にあるレストランAvaliへ。ここはホテルの経営ということもあって高級そうな感じがして以前は眺めただけで入らなかった。しかし、結果的に値段は全然高くなくて、一番海側のテーブルからの眺めはプロコピオスビーチの全貌とずっと遠くのMikli Viglaの北側まで見通すことができて最高だ。次回はここを定番としてもよいと思う。
O ナクソスの一番の楽しみは夜の食事。なにしろ、選択肢が多すぎて困ってしまう。大きく分けると、旧市街の中にある安いタベルナ、港沿いのシーフード系タベルナ、ラビリンスのようなちょっとおしゃれなフレンチやイタリアン、それにオニーロのような眺めを売りにしたレストラン、というところだろうか。さらに新市街にはエスニック系の店もある。それぞれのカテゴリでたくさんの店があるので悩んでしまう。
O 今回もラビリンスははずせないということで2日目に予約をした。ちょうどその夜は、弾き語りとペインティングのコラボという不思議なショーがあって、関係者も含めて店内は超満員。前菜のアスパラと生ハムのサラダはなかなか。メインはたーぼがポークのマッシュルームソース、私はサーモンのオレンジソースで、いずれもソースがとてもおいしかった。
 


ラビリンスでのメイン料理



O 3日目は、タウンの新市街よりで港沿いの通りから1本上の通りにあるイタリアンと、通りを挟んだ向かいにある似たような店のどちらか迷って、値段がやや安い後者に入った。ここはとにかくメニューの数がやたら多くて、選ぶのも大変。なんと、日本のようなパックのお手拭が出てきたのにもびっくり(こんなものがギリシャにもあったのか)。ガーデンっぽい店内の雰囲気はとてもよいのだが、料理の味はイマイチ。
O 最終日は、タウンの少し上の方(オニーロの下、例のイタリアンの上)にあるKastroという眺めのよいレストランに入った。ここは、広場にテーブルが設置された完全にオープンの場所。近くに来たときは満席であきらめようとしたら、ちょうど2人連れが出てきたので即座に入り、ラッキーなことに海側コーナーの最高のテーブルにつくことができた。店の人がメニューにはない今日のおすすめ料理を紹介してくれたので、2人ともそこからチョイス、魚のグリルとチキンのシチューを頼んだ。味も十分満足できるもので、ナクソス最後の夜を景色とともに楽しんだ。
 


カストロでのToday’s special

O ナクソスはやはり素晴らしい。昼はエーゲ海トップクラスのビーチ、夜は選択肢が多いタベルナと魅力的な迷路の街並み。客層は落ち着いていて賑わいも適度。ホテルの居心地はいいし、物価もそれほど高くない。当分はここがホームタウンになるだろう。


★ 8/24 ナクソス → サントリーニ
O サントリーニへの船は昼ごろなので、午前中は荷造りとナクソスの街を散策。Grottaホテルから旧市街への近道を開拓した。アポロホテル近くの教会の前から旧市街に入ってすぐ右に曲がるとそこはいつも通る道の続きで、すぐに最初のときに行ったガーデンタベルナがあり、さらに少し行けばいつもの人気タベルナだ。
O 帰りはGrottaホテルのお兄さんが運転するクルマで港へ送ってもらった。お兄さんとも再会を約束。
O サントリーニへの船はBlue Star FerryのExpress Naxos。普通のカーフェリーだが2000年代に作られた非常に新しい船で、中もだいぶ進化している。デッキも部分的にアクリルの屋根と壁に覆われた部分があり、カフェのようなテーブルと椅子がたくさん置いてある。潮風は防げるものの昼間は温室のような感じでとても暑い。壁がなくて涼しい場所は、ピレウスから乗ってきた客で埋まっていた。売店でサンドイッチとネスカフェフラッペを購入し、景色をながめながらのんびりと船旅を楽しむ。風は強いもののナクソスからサントリーニへの航路は完全に追い風となるコースで揺れもほとんどなく快適。
 


フェリーから見るナクソスタウン


O サントリーニが見えてくると、みんな一斉にカメラやビデオを取り出し撮影開始、進行方向左側のデッキは大混雑。しかしこのようなことができるのもコンベンショナルフェリーならでは。海からサントリーニを眺めるのは2回目だが、前回は大幅な船の遅れで夜になってしまったから事実上初めてだ。この素晴らしい景色を経験するためにも、サントリーニはできれば飛行機でなく船で行くのがよいと思う。それも、座席指定で動けない高速船でなくて普通のフェリーが正解だ。
   


フェリーから見るフィラの街


O ニューポートからフィラへのバスは超満員で座れず。ニューポートを出るとしばらくは崖に沿ったツヅラ折の道を登っていくが、道はあまり広くないのでカーブでは大型バスだと対向車線も目いっぱい使わないと曲がれない。カーブのたびにかなりのスリルを味わうことになる。もちろん路線バスの運転手は慣れたもので、まったく脱帽だ。30分ほどで懐かしいフィラの街へ到着した。



★ 8/24〜26 サントリーニ
O さて、残りは僕が書くことにする。サントリーニで泊まるならフィラの眺めのよいホテルだが、この時期は最低3泊でないと予約できないところも多い。2泊だけの今回、予約できたのはAntithesis Apartmentというプチホテルだ。ホームページ情報でフィラの中央あたりと見当をつけていたが、バスを降りて探してみても見つからない。インフォメーションで聞いてもはっきりしたことがわからず、30分以上探し回った後、ホテルに2回も電話してようやくたどり着いた。場所は何のことはない、以前泊まったヴィラレノスのすぐ横だったのだが、小さな看板しか出ていないのでちょっと難しいかも。
O フィラのホテルはどこも崖を利用して建てられているから、ここも荷物を持ってのアップダウンは大変だ。我々はスタンダードツインを予約したが、結果的にジュニアスイートの部屋だったことが後でわかった。崖をくりぬいた洞窟のような部屋は、狭いながらもなかなか居心地がいい。シャワーはトイレのすぐ横で、いくら気をつけてもトイレの床が水浸しになってしまうが、一時間くらいで乾いてしまうこともわかった。ホテルの設備は並だけれど、ここのベランダから眺める景色はやはり素晴らしい。ちなみに、このホテルは1泊160ユーロ。スコペロスの一軒家が120、ナクソスのグロッタが110だから、このあたりをどう考えるかだ。
     

ケーブを利用した部屋  ベランダからの眺め


             
O サントリーニは我々の最初のギリシャ旅行(1995年)から4回続けて訪れたお気に入りのところだが、今回は10年ぶりとなる。でも、フィラの街はほとんど変わっておらず、昔何回も歩いた通りは土産物屋もタベルナも僕らの記憶そのままだった。もちろん、フィラで見る夕日の美しさも変わらない(世界三大夕日の一つとのこと)。ただ、物価は10年前の2倍くらいになってしまったか。
       

フィラの街並み  フィラの夕日 

 
                       
O 一日過ごせる2日目にはバイクを借りてビーチに行くつもりだった。残念ながら、この日の朝に会社から電話がかかってきて、しばらくの間ホテルでパソコンと電話に向かい合う状態となってしまった。レッドビーチがオーガナイズドビーチになったようで、行ってみたかったけれど仕方なし。今回はフィラだけの滞在となった。
O とはいえ、ロバ乗りは楽しんだ。厳しい照り返しの中、オールドポートまで20分ほどかけてゆっくり下り、ここでまた十分休んだ後にロバに乗った。値段は一人5ユーロ(本当はケーブルカーと同じ4ユーロなのかもしれない)、ちなみに10年前は1000ドラクマ=300円だった。たまに足を滑らせたり、カーブで日陰に寄ろうとしたり、気まぐれな歩き方は昔のまま。懐かしい体験だった。
      

330段を上っていくロバ 日陰で一休み


               

O 初日の夕食はナウッサへ。フィラの街のタベルナ通りはほとんど変わっておらず、昔入ったところは皆そのままのたたずまいだ。ナウッサはケーブル駅近くの中華大飯店の手前にある人気店だが、本当に10年前の記憶どおりだった。そして、うれしいことに毎年食べたメニュー、エビのクリームソースもスペシャルメニューに載っていた。10年を経て僕の舌も多少は肥えたかと思ったけれど、やはりこれは絶品。値段は多少高めだが(マーが頼んだフィレステーキ、サラダとデカンタワインで65ユーロ)、サントリーニでは二重丸のお勧め店だと思う。店の階段に入店待ちの列ができて、その人たちにグラスワインがサービスされるのもこれまた昔通りだった。
 

10年前と同じ美味しさエビクリームソース





O 2日目の夕食はバス停近くのママズハウス。ここも評判はよい店のようで、そこそこの混雑だった。味も雰囲気も良かったが、特筆するまでは至らず。

★ 8/26〜27 サントリーニ → アテネ → 成田
O 最終日はホテルを13時半に出て、アテネ、パリと乗り継いでの長旅だ。サントリーニの空港まではホテルのフロントのお姉さん(ロシア人)が、送迎を手配してくれた。彼女曰く、夏のサントリーニはタクシー不足でつかまりにくく、値段も高くなるとのこと。かといって、ピークシーズンだけタクシー増車ともいかないらしい。
O 昨年のオーバーブッキングトラブルで本当なら避けたかったオリンピック航空だが、今回は定時運航で問題なし。
O 帰りのエールフランスもさすがにビジネスクラスは快適。成田へ18時に着くこのフライトは、滞在スケジュールの面でも時差ぼけ緩和の面でも利用価値が高いのだが、エコノミークラスは3−4−3配列の狭いシートに変更されているのがつらいところ。来年はどうするか悩ましい。



今回のまとめ
O 全体的に見事なプランニングだったと思う。スコペロスまでの無駄のない移動、一軒屋での生活、フェリーとバスを乗り継いだナクソスまでの移動、そして久しぶりのサントリーニの絶景。
O スコペロスはマンマミーアで有名になったが、ビーチのレベルの高さ(それが幾つもあること)、適度な大きさの街(客層も落ち着いていること)、食事の美味しさ(タベルナのバラエティ)、ともに期待以上だった。長めの休日を楽しむヨーロッパ人にとっては理想的なところかもしれないし、もっと人気が出ても不思議はない。我々も近いうちに再訪したいと思う。
O 去年の旅行記で、ナクソスについて「何かほっとするギリシャがここにはある」と書いた。ミコノスの物価高(というよりもお金で差別するようなやり方)に失望した直後だったせいもあるが、でも今年改めてその良さを感じた。ここはやっぱり当分外せない。
O 久々のサントリーニは、ほとんど変わっていなかったのがうれしかった。ここの絶景は何度見ても感動するし、今年はビーチに行けなかったから、ここもまたそのうち行かなければならない。
O 今年も贅沢なバカンスを楽しむことができた。昼はビーチでのんびりくつろぎ、パズルに音楽、そしてエメラルド色の海を満喫。夜はキンキンに冷えたデカンタ白ワインと、素材の味そのままの料理を楽しみ、にぎやかな街を散策。帰国直後からまた忙しい日常生活に戻らされているけれども、また来年の新たな計画を楽しみにしたい。

(2010.9.23完 たーぼ・マー)

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